藤井風を語る真夜中

風という病に侵され…語らせたまえと願った。

風前・風後

初めて書くはてなブログ

自分のための備忘録なので、無駄に長い。

もしかして読んでくれる人がいるなら、長文大丈夫、という方だけ、よろしく。

 

 

思い出しても自分を殴りたくなるのだが、昨年(2020年)の10月29日、遊びに来ないかと誘われ友人宅を訪れた。

夕食を共にしたが、何やらソワソワと落ち着かない友人。

少々興奮気味、嬉しそうで不安そうな顔。

もしかして好きな女性でもできたか?俺に紹介する気か?などと思っていると「あのさ…今から配信ライブがあるんだけど…一緒に見ようよ」と。

 

は?配信ライブ?…一度たりとも彼の口から聞いたことの無いフレーズ。

え、有料なのか?お前が配信ライブなんて、マジ?

いや、配信とかお前、わかるの?(超キカイ音痴だよね)

混乱していると「今から弟が来て、全部やってくれる」…ってオイ。

「藤井風さんっていうんだ、知らない?」

「今日が初武道館」

「今年デビューしたばっかりなのに武道館!」

 

ああ?知らない。全然知らない。聞いたことも無い。

弟が来る?じゃ2人で見たらいいよ。俺はテレビでも見てるわ。

 

友人は残念そうな顔をしたが、心は武道館ライブではち切れんばかり、俺のことは放置と決めたようだ。

あの時、帰るでもなく、隣の部屋でぼんやりテレビを見ていたんだ俺は!

寝室に籠もった友人と弟が、静かに静かにと声をひそめている気配を感じながら、カケラも関心が無かった俺。

時間を巻き戻せるなら、土下座もする!俺にも見せてくれ、そのライブを!!

 

配信が終わり、紅潮した顔の友人がリビングに戻って来た。

第一声「あああー緊張した!」

へ?「良かった」でも「スゴかった」でもなく、身内か?みたいな反応。

心底脱力してんじゃん。どれだけ固まってたのかキミは。

「風さん(いや何でさん付けなの、お前)も緊張してた、でも良かったあぁ」

そりゃデビューして間も無い新人が、初の武道館なんだろ、緊張して当たり前だよね。

「いや、風さんはそんな…武道館なんて超えて、世界に向かって歌ってるから」

 

……どした、俺が名前も知らない新人に、その入れ込み方……

あ?もしかしてカゼって、女の子?

アニソンとか歌ってんの?

 

言うんじゃなかった。

悲しい顔をしたヤツは、「そのうち、分かるから」とだけ返しやがった!

 

そして、「そのうち分かる」日がやって来た。

 

年が明け、2021年となった。

さほど流行りの曲に関心も無い自分は、普段は見ない番組を、なぜか見ていた。

関ジャム。音楽プロデューサーが選ぶ2020年の年間ベストテン!

ふーん、と見るともなく見ていた目に「藤井風」という文字が飛び込んで来た。

 

あれ?これって。スゴイじゃん。3人が3人ともベストテンに入れてる!1位、2位、5位!

ヤツが喜ぶかなとLINEしてみた。

「関ジャム見てる?お前の推し、すごく高評価されてるよー」

彼がウキウキで返信してくるかと思ったのだ俺は。

ところが。

「うん、見てたよ、関ジャムは大事」

何だよ、そんな反応?

推しが褒められてんだよ、もっと喜ばないの?

 

後で痛感することになるのだが、藤井風にハマった人間は、藤井風が褒められるなんてアッタリマエだと思っている。

いくら高評価や絶賛の言葉があっても、そんな評価じゃ足りないもん、まだ言われ足りないもん、てな感じ。

というか、周囲の高評価は嬉しいが、それは藤井風本体とは直接関係ない…くらいのキモチ?

 

変な奢りとかではなく、絶対の自信があるのだ、藤井風に対して。

シンプルに、清々しい一本道を見ているような。

どんなことが道の周りで起こっていようとも、この道は堂々と悠々と、歩く人を守り導いてくれると確信しているような。

 

ま、ともかく、その夜の関ジャムが、「藤井風」を認識した(ちゃんと脳に刻み込んだ)最初となった。

しかし、まだ曲を聴こうとも思わないまま、時は流れ…。

 

ある日、テレビから聴こえて来た曲に、心が踊った。

お、いい曲じゃん!好きだ〜!

HONDA党の自分、気に入りの車のCMには、いつもセンスある選曲がされていて、今回もよき!と思った。

誰が歌ってん…と小さく表示された名前を読んだ。

 

藤井風!

おおおーーキタか!

 

へぇぇ、今回のCM曲、藤井風なんだ。

(あいつ喜んでるだろな)

いい曲だ、好きだ、と思い、藤井風を聴いてみようと初めて思った。

 

YouTubeで検索すると…あるわあるわあるわ…呆れるほど大量の、子供時代からの藤井風が!

 

同好の方々ならばお分かりだろう。

 

はい、その日から無限ループ。

もう天国なんだか地獄なんだかわからんわからん…。

「たすけて」との思いが、ついにこのブログを書かせている。

 

もう、何か書かないと、語らないと、自分が暴発しそう。

持て余した熱を放出しないと。

 

はてなブログをワクチン代わりに、何とか自分の身を守るしかないと思い至った次第。

 

 

長き、風前と風後の自分的ストーリー。

なぜなぜ、あの貴重な武道館ライブを無視したのか!殴りつけたい自分を!

 

もちろん今はHEHN、武道館Blu-rayを手に入れ、復刻再販されたHEHCも買い、2枚目のアルバムを待ち焦がれる日々。

完全に「くださいください」な下僕と成り果てた…初めてだ、こんな心境は。

 

藤井風は脳神経のどこかを狂わせる。

でなきゃ、毎晩毎晩YouTubeに溺れない。

いつもなら働く自制心が機能しない。

どうして俺は、12歳だの18歳だのの男子の動画を、ゲロ吐きそうなほど見続けているんだ。

 

彼が天才だからだろ、という声が聴こえる。

とんでもない努力に裏打ちされた、人間の価値を見せてくれるからだろ。

好きなことを一心にやり続ける姿が、泣けるほど美しいからだろ。

邪気や邪心や、常に俺らを狙う醜いモノから離れて、素直で純粋な魂で包んでくれるからだろ。

そう、藤井風の音楽と人物に触れている間、俺はとんでもなく安心して、幸せなのだ。

幸せにしてもらったのだ、23歳(今はもう24歳)の男に!

 

一時の熱狂かとも自分を疑う。

でも一生のトモダチを見つけたのかとも思う。

これからの人生に藤井風がいるなら、ああ、自分は幸せに生きていけるだろう。

 

先に風を見つけていた友人にも感謝。そしてお詫び。

ヤツの先導が無かったら、いまだに風を浴びていなかったかも知れない。

あの配信ライブの日に戻れるなら戻りたいけれど、もう悔やむのはヤメだ。

これから広がる世界を楽しむ自分でいよう。

 

 

長々と…アホっすマジで。

藤井風と出会うまでの、無駄に遠回りした時間。

10年前に出会いたかったと思っても、いやいや、今出会えただけで幸せだ。

ちゃんとギフトを受け取れる自分で良かった。

 

これから、彼の作品や人となりや、ともかく藤井風に関することを、書いていきたいと思う。

批評めいたことはできない、単なる自分の放熱に過ぎないけれども。

 

もう夜が明けた。

在宅で自営業の自分は、時間だけは自由になる。

その時間をどう使うのか、今はその一部を藤井風に捧げたいと思っている。

 

今日も感謝からスタートしよう。