藤井風を語る真夜中

風という病に侵され…語らせたまえと願った。

もうちょっとAT話。

前回、『きらり』アフタートーク(以下AT)についての感想を書いたけど、書き足りない部分もあるし、実は書き忘れてた!ということにも気づいた。ので、追記っぽいけれど、書き足してみる。

 

俺から見たら「そんなに仕事仲間が好きなのか、みんなが自慢で仕方なくて、感謝でイッパイなんだよね!」という内容の『きらり』AT。

でも、まだまだ見過ごしてた「藤井風の感謝する力のスゴさ」があったんだ。

 

ひとつは『CGもすごいがんばってくれて』と、MV前半のバイクシーンのCGにも触れていたこと。

あれはスパイキー監督の茶目っ気というか、ファンに「あれ?バイク免許取れなかったの?」と思わせるCGでもあっただろう。後半でビックリさせるためのステキな前フリ。

無機質な人工的な世界で、CGのバイクを転がす風が、その世界を壊し、破壊された街の残骸から離れ去り、やがて実写のバイク野郎となって駆け抜けて行く。そこは新しい、誰もがイキイキと解放された世界。

そのCG製作チームのメンバーにも感謝の言葉を忘れていない風だった。

 

もうひとつは、『きらり』の歌詞カードを作って貼り出したことへの「感謝」。

『こがーなん用意してくれてんねん、しかも今日。ヤバない?これ』と。

俺はさ、スタッフの誰かが歌詞を貼り出しておくくらい、当たり前じゃねーの、と思うよ。歌詞についての説明だってあるんだから。

『しかも今日』とは?今日は配信の準備等で忙しかったのに、わざわざ用意してくれた…って気持ちなのかな。

誰かがその職責においてやるべきことをやる。それは当たり前だけれど、当たり前ではない。

そこに責任があり、責任をもたらす愛があるから、できることなんだ。仕事上のお膳立てを、何もかも当たり前と思うか、『ヤバない?』と感謝の気持ちを抱くか。

動機は愛がいい、と歌う人は、愛から生まれた結果に感謝できる人なんだなぁ。

 

俺がスタッフの一員だったら、歌詞を拡大コピーするなんて当然と思って準備するだろう。誰が、そのコピーに感動し感謝してくれるというんだろう。でも風は、そんな些細なことにも心を動かす人間なんだよね。

本当に何という人なんだろう…。

仕事における自分の態度を反省する。例えばクライアントへのプレゼンで、アシスタントが書類を準備する、画像を準備する、それを当たり前と、むしろ内容の未熟なところを指摘するばかりになっていないか。

書類1枚だって、それなりに気を配り時間を費やして準備しているのに。そこに感謝を忘れて、何をしてもらってもスルーしていないか。

コピーひとつを「こんなにまでしてくれて」と思う風。その心は見習うべき宝だ。

 

あとね、風は嘘がつけないね。(みんな知ってる)

ジャケットの説明をする時に、『アートワークについての質問もかなり…あ?いや…ちょびっと、ん?来とったんで』

かなりでもいいよ、誰も知らないんだから、少しくらい盛っても。でも、正直なこと以外、言えないんだよね。

だから、バイクでツーリングした、って話も。ちょっと寒くて…100%楽しかったとは言えないから、すごーく言い難そうに。

「ちょっと寒かったけど、ツーリング楽しかったよ!」と、本心と誤差のある盛った言い方ができない。『楽しかったケド…寒かった、ちょっと』

寒かったという感想が残った自分が、特にずっずさんに対して悪いなぁ、みたいな。せっかくツーリングに連れて行ってもらったのに。って気持ちが透けて見える、ためらいの表情。

この丸裸な、清らかさときたら。

 

ファンに対する感謝もすごいよね。

『ありがとうございます。最後まで付き合ってくださって』(こんな言い方するミュージシャン、他にいる?)

岡山弁のプロだけどさ、わしわし言ってるけどさ、言葉遣いはホントに丁寧で上品。

あの報ステでの母校訪問で、恩師・森野先生が待ってることを知り『先生が…いらっしゃる?』と歩み寄った時の高貴さよ。ごく自然に敬語が身についている23歳!(当時)

ご両親は「めちゃくちゃナチュラルでいて気品がある」という、奇跡のような子育てをされたんだな〜と感動する。

 

AT最後の方では、MVでの自分に『大丈夫?これ』と思った話を。話があっちこっちするな〜と言いながら。

良かった、言いたかったことを思い出してくれて。おかげで『サムネイ…ルル』が聞けた。笑

どんな脚本家が考えても、藤井風のナチュラルなボケには勝てないよなぁ。

いやもう…男が1人で喋り倒すのを見て「可愛い!」と思う自分が信じられない。どうして可愛くて仕方ないんだろう、うっすら無精髭の181cmの男が。

これが末っ子パワーなのか?愛されて育った魔力なのかよ?

その、表情豊かな風の背後に、開眼ポスターがあり。同一人物だって?いやいやいや、信じられん!と何度叫んだことか。

 

話し終わったら、間髪を容れず『お別れピアノ』。こういうタイミングは、ずっずさん完璧!

最後に風の歌でシメてこそ、ファンも幸せ。

 

ああ、素晴らしきAT。

新曲が出るごとに(毎回とは言わないから)配信してくれたなら、どれほど嬉しいだろう。

ひとつひとつの作品について、自分から発信し、自分の言葉で語ろうとしてくれるミュージシャンが、いかに貴重な存在か。

語ってくれることで、我々の内にも、その作品がくっきりと立ち上がってくる。作品と、より深く強い絆ができる。それは、作者と作品とファンとの、最高に幸せな関係だ。

煩わしいと思わずに、それをやってくれる風。彼のファンである幸せは、こんなところにもある。

 

みんなが騒いでる?と思ったら、公園の水道を使って歯を磨く姿がインスタに?

よく見ると、普通に公園に来た人に見られたみたいで、ちょっと会釈してるよね。キャプション付けるなら「すんません、怪しい者じゃありません」。

怪しくないです、ヘンなだけです!!!

こうやって、みんなを翻弄するんだよな。でもそれすら楽しむのが風民。色んな妄想劇場が開演してた。あはは。

 

新曲だよね?待ってたらいいんだよね?

ワクワクしかない!

↑これもまぁ妄想だけど。

しばらくは幸せな妄想を楽しもう。