藤井風を語る真夜中

風という病に侵され…語らせたまえと願った。

“Free”Live2021③

7. 『特にない』

有観客で予定していたのだろうけど、オンラインLIVEでも同じことはできる。「みんなと一緒に演奏したい」と手拍子を求める。ピアノの受難は続く。クラップされたことなんて初めてじゃろう…YAMAHAの最高級グランドだよ。でも意外と喜んでたかな。風っちに優しく叩かれてさ。

「手拍子するたびに、みんなの心にょ」にょって言った、にょって!可愛いじょー。「みんなの心のネガティブなエネルギーが弾けて飛んでいくイメージで」「この曲が終わる頃には、多分わしら小綺麗になっとるはず」小綺麗て!笑

俺でさえも手拍子したよ。女性ファンは一所懸命クラップして、みんな小綺麗になったかな?

ちなみに「小綺麗」とは清潔感がある、さっぱりしてる、の意。反対語が「小汚い(不潔)」だからね。風っち的褒め言葉なんだよ。

歌い終えたら、両腕を開いて「恵みの雨」と。ファンがてるてる坊主を作ったことを知っているから、みんなの気持ちを救ってくれる。次第に「雨も悪くない、風っちは何も変わらない」という気分になっていく。身体も冷えるだろうに、全然大丈夫という顔してるから、雨だって気にしなくなる。こちらの感情さえも楽にしてくれる。ホントに何て人だ。

 

8. 『死ぬのがいいわ』

この妖艶な曲も、今回は歌い方を変えてきた。若い、やや硬い声で歌い出す。いやもう、自由自在だな。どんな表現もできる声を、自分のものにしてる。深みとエロスのある声は少し抑えて、若さに満ちた少し生真面目な声。風っちの多彩な声と多彩なピアノアレンジ。何でもできるんだな〜としみじみ思った。

スキャットも端正。冒頭のピアノソロも、あんな濡れたピアノで実に美しい音色。力強く芳醇な音を聴かせてくれた。

 

9. 『帰ろう』

「みんな深呼吸しよか(鼻がカイカイ)」と立ち上がり、四方に向き直りつつ腕を広げて深呼吸。観客に頭を下げるようにしながら脱力して腕を降ろす。みんなの緊張をほぐし、そこからの『帰ろう』。イメージ的にはラストの曲だけど、ここに持って来たか。それもまたよき。

時折、ザーザーと雨音が。これ、俺の目が変なのかな、かなりの雨なのに風っちの顔がビチャビチャにならないんだけど? 顔と髪の様子と雨の強さが比例しないんだけど? 何なん…。

ザーザー降りの中とは思えないほど綺麗なまま。俺の目がイッちゃってるの?

聴くたび魂が洗われる良曲。高いレベルの品格がある。雨が似合う曲でもある。爽やかな風がスーッとスタジアムを駆け抜けていくよう。これもまた若い声で、軽やかに歌っていた。ピュアな光に満ちた『帰ろう』だった。

歌い終わって立ち上がる。速攻でピアノスタッフが走り寄る。作業するスタッフの足元(ちょっと離れてはいるけど)で「ホンマは晴れじゃったら寝そべり配信ということで、ここで寝そべろうと思ってた。雨でも寝そべります」うわわ!マジで寝そべったぜ風っち。何すんの。

「疲れてませんか」「一緒に昼寝しましょう」

長く感じたけど、実際は数十秒。ホントに「疲れたら、みんな休んでええんやで」を体現。この人の寄り添う力にはブッ飛ぶよ。雨を吸った芝生に横たわって目を閉じて。

「目を閉じて、自然を感じて、何かでっかいものと繋がる時間をとってください」と、これは真摯な風っちのメッセージ。内なるハイヤーセルフを意識するために必要なセレモニーなのかな。魂の次元を大切にするなら、我々には昼寝も必要、瞑想も必要と教えてくれている気がする。

「瞑想しよってください、わしはそろぼち次の曲に向かいます」とピアノを奏で始めた。

 

 

続きはまた。で、急に『6日の報道ステーション出演』の情報が流れてきた。もうどんな祭りなん? 凄いな。収録のインタビューみたいだけど、嬉しいね。明日も大変だ…。