藤井風を語る真夜中

風という病に侵され…語らせたまえと願った。

🎵満ちてゆく

MV公開、配信リリース。

山田智和監督、藤井風を俳優にするつもり? なんかもう演技ができてるんすけど!😭(泣いてまう)

年齢を重ねたメイク、役所広司さんかと。違和感ないってどゆこと?!

いやもうMVは罪。曲が身の内に入ってくるまで、このMVを見尽くさなあかん。

 

山田智和監督、映画本編と変わらぬ熱量で、ふたたび藤井風を描くことに注力してくれたんだな。映画のためにボロボロになりながら、この表現の哲学者は、藤井風に真っ直ぐ向き合う愛の人だ。瞬間瞬間の風を、何と真摯に撮っていることだろう。

そして一瞬一瞬の風っちよ、何と美しく生きていることか。生身の青年を、生身の老人を、リアルに生きていた。唖然とする存在感。

 

あらゆる人間の底の底に、結ばれなかった誰かがいる。その誰かに向けて、我々は手紙を書く。書き終えることのない手紙を。

またもや何という歌詞を書くのだろうか、風という詩人は。

『あれもこれもどこか置いてくる』

もちろん「老いてくる」とのダブルミーニング。全てを置いて、老いていく我々。愛でて、繋がって、共に手を放して、軽くなって、満ちてゆく。

 

『愛される為に 愛すのは悲劇 カラカラな心にお恵みを』

『何もないけれど全て差し出すよ』

ああ、涙が胸に溢れる。風っちの詞はあまりにも美しく強い。

 

老いてくるからこそ、満ちてゆく。人として満ちてゆくためには、全てを差し出すこと。全てを与えること。長い時の間、ずっとずっと。

与えて与えて、軽くなった時にこそ、我々は満たされるのか。

 

藤井風のMVはこの世の奇跡。才能と才能と愛と愛がもつれ合って絡み合って花を咲かせる。意図を超えて咲かせるハメになる。笑

そして我々を泣かす。

 

山田智和監督、全てのスタッフ、出演者の皆さん。藤井風。またも生まれた奇跡の映像に、魂ごと抱きついたまま眠れない夜である。