かくして、藤井風に翻弄される日々が始まった。
1月の関ジャムで目覚めていたなら、3月の報道ステーション『旅路』にも間に合っていただろうに。
5月初めのビバラの配信にも、ねそべり配信にも間に合わなかった自分。
つまり、それらの見逃したあれこれが、一気に「さぁ見ろ、ほれ見ろ、これが藤井風だ!」と怒涛のごとく迫って来たということだ。
あまりの情報の大渋滞に「死ぬ」と思った。
これでも一応やるべき仕事もある、なのにゲームにハマって不登校になる中坊みたいなザマ。
廃人だこれ。風廃人になる、このままじゃ。
藤井風はしごく真っ当で、ただ自分の表現を真っ直ぐに届けてくれているだけなのに、それを見ている自分は廃人まっしぐら?
いかんいかん、こんなじゃ風に申し訳ない!
でもでも…延々と繰り出される動画を、止める術が無いのだ。
好きな娘とデートして帰る時間を忘れるのと一緒。いや、デートならいつかは終わりが来るのに、それ以上に理性がぶっ飛んで、「これ見たら終わりにしよう」が永遠に続くという。
「ああ、いい」「好きだ」という幸福の時間が、endlessだと地獄になるということを知った。
忘れもしない、先に藤井風を愛するようになっていた(この言い方しか浮かばん)友人は、俺が「きらり聞いてから、風氏のYouTube見てるよ、めちゃくちゃ一杯あって大変」とLINEで伝えた時。
「ありがとう。君は絶対にハマると信じてた。では、藤井風を解禁いたしまする」と、返信を寄越した。
「へ?」だよ。要するに、彼は待ち構えていた。
俺に藤井風を伝えたくて伝えたくて、待って待って待ってくれていたのだ。
それほど、晴れ晴れと共有したい宝だったのだ、藤井風という宝石は。
無理に押し付けたら嫌がる俺を知っていて、でも風を知れば必ずハマると確信していた。
……ヤツの友情にも泣けた。そんなふうに思えるほど藤井風は特別だったんだな、ヤツにとって。
まだ最近の風を知らない俺に、ヤツがまず勧めたのは『HAPPY GW - Piano Live Streaming ねそべり配信』
ピアノライブ!おお願ったり!わかった、見てくるね。←この時点で「ねそべり」は意識に入ってない。
「ビバラのバキバキ風さんに心臓を持ってかれた我々は、いつもの風を渇望してた。そこへこのねそべり配信。最高!」と謎の言葉が返って来た。
?ねそべりとは何じゃ?
ま、見てみよう。
動画スタート。
はい、ブッ飛びました。
ピ、ピアノ弾く本人が寝そべって、る!!
寝……
開いた口が塞がるまで何分かかったか。
最初の衝撃が去ったら、別の衝撃が。あらゆる曲を弾くわ弾くわ…何なん!!天才!!いや知ってたけど。YouTube見て、知ってはいたけど!!
改めて、とんでもない人に惹かれた罪の香りに打ちのめされた。
昨年のねそべり(2回)やら、正月のあけおめ配信やら。
もちろんHEHNに収められた曲たちのMV。
加えて無尽蔵のYouTube動画。
頭おかしくなってもしゃーないやろ?(涙)
最初に見た、ねそべり配信で確信した。
コレに惚れないヤツなんかいない。この技量、この歌声、この人間性!
ああ、自分は普通の男で良かった。恋愛対象が男ではない男で…(いやもうワケわからなくなってるが)
もし女性で、彼に惚れたならたまらんな、と思う。辛かろう。幸せだけど、辛かろう。よしよし。
などとラチも無いことまで思ってしまう。
藤井風、罪の香りったあアンタのことだ!
(いや暴言です、すみません)
まともに、彼の曲を語りたいんだよ。
でもそこまで行かないのだ、まだまだ自分の現状にワタワタしてて。
この1か月の熱狂ほどに、自分の身を焼いた経験は初めてだ。恋愛感情にも似ているが、もっともっと尊敬の念が強い。
彼の美しいピアノの、光の粒を浴びる時、3歳からずっと、どんなに音楽を愛して来たんだろう…どんなにその身と心と時間を捧げて来たんだろう…と胸が一杯になる。
こんなに愛したから、愛されたんだな音楽の神に。音楽の神から使命を与えられたから、コロナ禍の世界にデビューしてくれたんだ。
いやホントにゾッとする、藤井風のいないコロナ世界を想像すると。
辛いことばかり、生活も心も苦しくて、それが自分だけではない、世界中の問題で。耐えるしかなくて。
愚痴も叫びも浄化してくれる藤井風の音楽。
孤独に泣いていた魂を包み込む藤井風の音楽。
天に感謝するしかないよ、風を送ってくれたことに。
Twitterから沢山の励ましの声をいただき、本当にありがとうございます。
無謀にも藤井風氏について語りたいと思った気持ちを、暖かく迎えてくださった先輩諸氏の皆さま、心から感謝申し上げます。
個々に御礼はできませんが、ここの記事にて、皆さまと繋がっていけたら幸いです。
色々と失礼があったらご指摘ください。
今後ともよろしくお願いいたします。