藤井風を語る真夜中

風という病に侵され…語らせたまえと願った。

福岡2日目

博多駅前のホテルで迎える朝。午前2時には寝たので6時半に目が覚めた。

まだ空は暗い。関東より日の出は40分は遅いはず。いいな、夜が長い九州。笑

 

何を言える?『藤井風最高‼️』以外に。

俺もどこかの子供みたいに泣きたくなったし、感情がぐるぐるして、それでも幸せな空間にいたことだけは確か。

 

ネタバレなしで感想を書くのは不可能なんだけど、とりあえず大雑把な印象だけ書いてみる。

 

微かにでもネタバレ回避の方、予習不要な方は以下は読まないでください。

⚠️詳細はボカシていますが、曲目やら演出やらに触れています。

 

 

客電が落ちるとマスクの下で思わず出る声。風っちが来る!という期待のざわつき。その中を…“文豪のお散歩”な感じで現れる藤井風。

何すかね、この大正時代の文豪的な香りは。

その人がピアノに向かい、あの、あの曲を。この曲から始まるステージか。うん、うん。泣けってことよね。最初から心臓がぎゅーっとなって思わず自分を抱いたよ、倒れないように。

 

曲順はかなり意外なところもあり、何となく終盤に歌うと思っていた曲が早めに登場したり。

これまでとは違うアレンジ、違うフェイク、違うグルーヴ、違う歌声。毎回毎回を新しい色で染め替える風っち、ヤフさん、チーム風。

会うたびに引き出しが増え、表現力が増し、歌がうまくなり。令和の化け物か。どこまで行くん? 無限だよ! という声が聴こえてきた。

 

今日は少しだけ髭風。それでもルネサンスの彫刻が動いてるかのような端正な美しさ。男をひたすら「綺麗だな〜」とうっとりする自分。今年も正月からコレやで。助けて。

 

ピアノが抜群。知ってるけど、それ以上に「巧い巧い!」と心が叫びまくる。アレンジも超絶。最高of最高!

ピアノの弾き語りとバンドで歌う曲のバランスがよく、どの曲もこんなに魅力的なんだと新鮮に響いてくる。ここへきて“新鮮”。どんだけ聴いたか分からないほど馴染んだ曲を新しくする風っち。ホンマにエンターテイナーやな!

 

途中、ギャン泣きする幼児が。お母さんが大変だったろうな…風っちも後でちょっとイジって軽くしてあげてたけど、あれは『死ぬのがいいわ』が怖かったんやと思うで。😂

ステージで倒れるんやもん。動かなくなるんやもん。幼児、ショックやったよな。

泣き声を掻き消すように、やがて大声量で次の曲を歌い出した風っち。まだ泣いてる子。大丈夫やで、このお兄ちゃんは無事やで!笑

 

途中、一緒に歌ってと言ってくれる曲もあり。マスクの下から聴こえる声が、静かにアリーナに流れた。風っち「美しかった」と言ってた。俺もそう思った。大声を出すわけではない、マスクを通した優しい声。それが重なり合い、会場を満たした。風っちと観客とで作り出した美しい時間だった。

 

振り付けのある曲では、みんな踊る踊る! そんな観客がかわいくて仕方ない様子の風っち。みんなは風っちをかわいい!と見つめる。かわいいの応酬。

いいなぁ、風&fansはかわいい世界に住んでいる。会場を見回して嬉しくなる俺。風っちが中心にいる、この柔らかい世界が大好きだ。

 

中央に配置されたステージ。ピアノを置いてある円形舞台は回るようになっていて、みんな武道館の「まわりよる、まわりよる」が浮かぶのか、回転するたびに笑い声が。

東西南北の各方面をぐるぐると、どの方向にも満遍なく足を運びながらのパフォーマンス。歌い踊り走り飛び回る風っち。体力も化け物か、本当に凄い。どんなに動き回ってもブレない歌声。

ピアノと歌唱力だけでも異次元。加えてあの美彫刻のごとき容姿。加えて果てしないサービス精神。加えて全メンバーへの愛、観客への愛。こんな超人、おりまへんて! 見られるうちに見ておかないと、人生の宝物を逃してまうで!

 

何もかも言い足りないけど、とりあえずの印象だけ書いてみた。

とにかく、藤井風のライブは最高!ってことよ。今回はますます舞台っぽかった。ひとつの舞台作品を観たような感覚。

より洗練され、より深化され、風っちはどこまでも大きくなる。我々を楽しませてくれるために。

 

藤井風の全力に包まれる経験。藤井風を支える人々の全力を見る経験。舞台上と下が共にひとつの時間を美しくする経験。至福のステージ。それがまだまだ続くこの冬、日本列島は幸せである。