藤井風を語る真夜中

風という病に侵され…語らせたまえと願った。

いやもう最高『花』‼️

何というご無沙汰…気にかけて下さった皆さまには、土下座してお詫び申し上げまする。

とりあえず藤井風ファンとしてのブログを名乗りながら、『Workin' Hard』にも触れぬまま、『花』という新曲まで海の底に沈んでおりました。

まあ…理由は、祖母の死去であります。何の関係も無い皆さまにこんな事を告げる失礼を、お許しください。

生まれた時からずっと親代わりとなって育ててくれた祖母でした。多忙な両親よりも長い時間を祖父母と過ごして来た自分。

数年前に祖父を見送った時以上に、祖母の死去は打撃となり、ちょっと信じられないくらいのダメージを受けてしまいました。

暑かったと皆が言う夏だったのに、冷んやりした部屋に閉じ込められていたような記憶しかありません。

 

いいかげんに立てよ!と自分を叱りながらもウダウダと凹み続け…最近になって「新曲」の噂、しかもドラマの主題歌。目が覚めるようなビジュアルも届いて、それこそ「これで起きなきゃ駄目だろ」とヨロヨロと立ち上がりました。

今夜のドラマスタートを待ち焦がれ。民放の連続ドラマを見るなんて何年振り?と思いながら。

 

視聴した。最近のドラマってこんなん?と驚いた。会話劇じゃん、まるで舞台。いや〜色んな意味で新鮮!配役も素晴らしく、これは見続けられるヤツだ(何様)と感謝した。

そしてラストに流れた風っちの歌声。おお。ま、ま、とりあえず聴こ。聴き取れないけど聴こ。確かに流れてる!懐かしく優しい声。

45分後にはフルサイズで配信スタートだ。

 

そして今である。ずーっとずーっと聴いてる。歌詞を読んでる。

風っちがインスタを上げてくれて、あ、ちょっと間違ってる。タイトルの「いちばんすきな花」が「一番すきな花」になってる。と思ってたらすぐに投稿が更新された。良かった。

ひらがな表記のタイトルの優しさ、まろやかなイメージが作品にも主題歌にも似合ってる。

 

藤井風の『花』。皆がシティポップみがあると言うけど、俺にはシティポップが何かがよく分かってない。80〜90年代ふうのおしゃれで都会的なポップス?ふむ?

あらゆる音楽を体感している風っちだから、どんな表現も自由自在。だからこその『花』なんだろうな。

第一話を視聴した感じでは、まるで『ロンリーラプソディ』の映像化のような。孤独感、孤立感がヒシと身に刺さるようだった。

それでも軽みが感じられたのは、演出と演者達の力量かな。多部未華子さん、松下洸平さんともに爽やかさがありユーモアも表現できるので、重くなり過ぎず。今田美桜さん、神尾楓珠さんも魅力がありながら、それゆえに孤独であるという役に嵌っていた。

生きづらさを抱えた彼らが、どんなふうに歩いて行くのか。風っちの主題歌を聴くためだけではなく、このドラマを興味を持って視聴したいと思う。

 

内なる花を咲かせにいく、探しにいく。そうだよな、誰かにもらった花束、自分の外側に咲く花は必ず枯れていく。いつかは溶けていく。

俺は祖母に依存してたのかな?亡くしたら自分が倒れるほどに。

先日、仕事で移動するために運転していた。この道を祖母を連れて走ったことがあったなぁ…と思ったら涙が湧いてきた。祖母が行きたいというカフェがあり、昔はよく来ていたと言う。おそらく30年ぶりくらいに足を踏み入れた祖母、「まぁ懐かしい!」と、その瞬間40代か50代の顔になっていた。キラキラ輝く若やいだ祖母の顔。俺はこの顔を何度も思い出すんだろうなと思った。その時から、いつか祖母を亡くす覚悟をしていた。この顔を見られただけでいいと思った。

 

なくした…喪失感なんか、持ったらあかんよね。祖母が与えてくれたものは全部ここにあるんだから。全部俺の中に。

そう気づいたら泣いてる自分がアホに思えてきた。ごめんね、全て俺に与えて残してくれたのに。もう泣かないよ。

何もかも風っちが歌ってくれる通りだ。自分から離れたところに大切なものは無い。全て自分の内にあるのだ。

 

『Workin' Hard』『花』と、全身全霊で「好き!」と俺の細胞が叫ぶ曲を得て、ああ何て幸せなんだ。どちらもホンマにめっちゃ好きな曲。

音楽職人たる使命のままに、変幻自在な曲を生み出す風っち。ヴォーカルも、どこまでも力を抜いて歌うのに、より巧みになっていて驚く。曲中に潜ませる「エィ」なるフェイクの脳天ブチ抜く魅力よ。切なく儚いのに、明るい青空が覗くような曲調が、疲れた心を癒やしてくれる。

それぞれの曲に相応しいプロデューサーを選ぶのも正解しかないチーム風。ビジュアルも大正解にして大優勝。何あれ。衣装にも風の思想を乗せるスタイリストさんが素晴らしい。それが誰より似合うんだから。あんなに花と戯れる蝶のようになれる男がいるか。モノを捨てない、モノを大事にする風っち。同じ志のクリエイター達がいる令和の時代を信じたいとまで思わせてくれる。このチームが作るMVもワクワクで待ち遠しい!

 

たまらんな藤井風。この曲をアジアツアー移動中の機内で作ったのか。その飛行機を包んでいた空と雲と光が、曲に明るさを与えてくれたような気がするよ。

何もかもがありがたし。

 

今もずっと耳のイヤホンから流れてる。聴くほどに細胞が喜んでる。沸き立ってる。いやもうマジでキラキラな曲!

またも最高の楽曲をありがとう風っち。

我が内なる花も喜んで風に揺れている。