藤井風を語る真夜中

風という病に侵され…語らせたまえと願った。

『Workin' Hard』

『花』に絶賛耽溺中であるが、『Workin' Hard』についてほとんど語っていないことに、今更ながら気づいた。

わずかな期間で、たまらん名曲が2作も生まれたんだよ。マジ凄いよ風っち!

 

今はまだ『花』のMVは公開されておらず、ひたすら曲だけを聴いているが、俺だけかも知れないが、MV公開と時差があって良かったなと思うのだ。

『Workin' Hard』に関してはMVと同時公開だった。それで、ある意味曲だけに集中する時間は、正直少なかった。

藤井風のMVは特別。あんなに歌い手が主演を張って、映画か?という内容で毎回毎回観る者を圧倒するMVなんて、そんなに無いってば。

MVの風っちは完全に役者だし。

で、映像を見ちゃったらもう。そのあまりのビジュアルに唖然とし、心臓をブチ抜かれ、もうずーっとずーっと見入ってしまうのだ。ああ、藤井風MVの悪魔的魅力よ。

主演が死ぬほどカッコよくて、それぞれの監督が才と愛を爆発させ、取り囲むスタッフが何とも言えない温かさで全てを成立させている。

愛しかない世界を、眼前に示してくれる。その真ん中にいる風っちの煌めき。至福の映像。

だからさ、MVがそこにあると、どうしてもMVを見てしまうのである。曲だけを聴くのと映像を見ながら聴くのと。これ、決定的に違うんだよね。

映像から受け取る、大量過ぎる情報にアタフタしながら、何より藤井風に見惚れながら、歌を追いかけ映像を追いかけ。

曲自体をじっくり聴くことから離れて、より目も耳も忙しい体験になるのだ。

 

だから今、まだ『花』のMVを見てない平和な心(笑)で曲に集中できているのは、俺は幸せなことだと思ってる。

 

2年前の10月24日。俺は福岡にいて、風っちのライブに参加していた。日曜だった。

『燃えよ』の初公開。その夜、民放各局を横断してストーリーを繋ぐ画期的なCMが流され、それが一本のMVになる仕掛け。ワクワクしながら、風っちと一緒に初公開を見るという、あり得ない幸運のひとときだった。

水から現れた風っちの姿に…俺は幻を見てるん?…と。みんな笑ってた。会場が揺れるほど。こんなんアリ?でも最高に最高な我らの王様誕生だった。

 

本当にどのMVも、あまりに楽曲と映像がピッタリで、あまりに風っちが魅力と吸引力に溢れているので、楽曲=MVとして身にも心にも刻まれる。MVがある曲は、もうMVを離れては意識できない。

それが、本当に幸せでありながら、耳から受け取るべき曲自体の凄さを、もしかしたら薄めてる?と思ったりするのだ。

 

『Workin' Hard』も、曲だけ聴く時の「あああ、何てカッケー曲なんだ!!」と、自然にカラダが揺れるような陶酔感が、MVを見る時には、ひとつひとつの場面が与えてくれる“藤井風の可愛さ”に「風っちいいな〜、風っち最高!!」な気分に置き換わる。もちろん曲の素晴らしさは1ミリも変わりないけど、自分がMVの、風っちのトリコになってるのを実感する。

 

逆説的な言い方かも知れないけど、『花』MVの公開までに、じっくり曲だけを聴く時間があることに感謝したい俺なのだ。

MVが出たら画面の風っちに夢中になるに決まっておる。あの青い蝶🦋がピンクの花🌸を探して彷徨うのか。笑

青い蝶🦋も、スタイリストさんが🦋のイメージでセレクトしてくれたことを、ご本人のインスタで教えてくれてたけれど。俺はこれによって、JVKEとのコラボ『golden hour(Fujii Kaze Remix)』が昇華されたような気がした。

あのコラボは素晴らしかったけども、あくまでJVKEの曲だから…と弾けるにも遠慮があった。🦋でも盛り上がりたかったけど、何となく上がり切れなくて。

それが、思う存分弾けてええでー!って言われたようなビジュアル🦋🦋🦋だったから、ああ、回収してくれた!と感じたよ。ありがたし!

 

MVがどんな作品になるのか、楽しみに待つだけだけど。あの🦋と🌸は、マジで藤井風にしかできない姿。あのビジュアルが生かされるのか、全く別のものになるのか。ドキドキで待つのみ。エンドレスで曲を聴きながら。

 

『Workin' Hard』のカッコよさ、ホンマにたまらん!!

息を多めに、気怠げな歌い方なのに、何あの健全なる労働者讃歌は!😆

バスケのドリブル音を底流に、そして日本チーム“アカツキジャパン”の赤をメインに。

日本のバスケは、まだまだ実力的に1次ラウンドを勝ち抜くのは難しい。だから今回のW杯の目標は「アジア勢1位を勝ち取りパリ五輪出場権を得る」だったはず。

多くの人が察したと思うが、MVの裏テーマ(笑)は、ズバリ五輪。五輪旗の色そのままに、順に青(スーパー)、黄(ゴミ収集車)、黒(茶畑)、緑(八百屋)、赤(廃車工場)で働く人々を描いた。(茶畑は花柄ピンクに目を奪われるけど、着ている服は黒)

パリ五輪を目指すぞ!行くぞ!という決意を込めたMVだったのだ。アカツキジャパンは見事にその目的を果たした。

そして最後に現れる白。家事に努める人を描き、全ての“誰かを助けてる人”を讃えている。

五輪旗は、必ず白地に5色の色で描かれる。この6つの色でほとんどの国の国旗が描かれることから、五輪の創設者クーベルタンが作成したと言われている。「世界はひとつ」を表している6つの色を、真っ直ぐMVに表現した作品なのだ。

「なんも無くたっていいや 結果なんぞかったりーわ」に込めた風っちの思い。期待した、あるいは期待された、立派な結果が得られなくてもいい。拍手も賞賛も無くたっていい。キミはやり切ったんだから。やり続けてるんだから。

結果ばかりを云々する世の中に、頑張ってること自体が尊いんだよ、と言ってくれる風っち。

深い思いと、クールで妖しい香気に満ちた曲。実に実に大好きな曲だ。

 

この曲の次が『花』だなんて、誰が想像しただろう。いつだって遥かな高みをフワフワと飛んでいくような藤井風。

またヤられた…と、こっちは空の彼方を見詰めるばかり。どこまで行くん?🥹

 

そう言えば、先週の「いちばんすきな花」はオープニングに『花』のイントロが流れて、みんな叫んだよね?(俺は叫んだ)

ま、歌は流れることなくドラマが始まったけども。イントロだけで何というインパクト!いやー上手い。曲づくりが上手い。どんな曲でも自在で、しかも完成度が高い。曲も歌唱も限りなく完璧。聴いていて何のストレスもない。ただ心地よさに包まれながら、ほんの少し切なく、ほんの少し甘く。カラダの中の水分値が上がる。柔らかく満たされる感じ。

 

MVが出たら、キャーキャーギャーギャー騒ぐのは分かり切ってる。それまでの間、曲だけの時間(短いぞ)を楽しもう。